省エネルギーの意義は下記の2つに大別されます。
1. 地球環境への負荷の低減
温室効果ガスの排出を抑制する目的
2. 出費の抑制
エネルギーコストの削減で収支の安定
本稿では特にコストカットを目的とする省エネ手法に重きを置いて情報発信します。
まずはエネルギーの使われ方について考察します。
出典:資源エネルギー庁
【エネルギー需給の背景】
ご存知のようにわが国は油田がないために石油を輸入に頼らざるを得ません。
第二次世界大戦・オイルショック・湾岸戦争・石油価格の乱高下と石油に国の行方が委ねられているのがこの国の実情です。
地政学的にプレートが重なってできている特殊な環境下にある日本にはメタンハイドレードというエネルギーの存在も明らかになっておりますが低コストによる海底からの回収方法の解決など問題が山積しているのが現状でレアメタル同様に他国に依存せざるを得ない状況が続くことが予想されています。
産業分野(製造)
2度に及ぶ石油ショックを契機に1979年に制定された省エネルギー法により現在と比較してGDPが2.4倍になる中で産業部門ではエネルギーの使用量が0.8倍ととても低い水準で抑えられているのがわかります。
スタンドプレイを許さない日本のチームワークと技術サイドによる卓越した研究と努力の成果の勝利と言えると思いますが日本の省エネルギー技術が世界に胸を張れるものであることを物語るグラフとなっております。
産業分野(業務)
一方で残念なことに業務部門に関して言えばこの限りではありません。 会社法の変更に伴い株式会社の設立が緩和され多くの中小企業が産まれるなどの活性化を国の政策として行われた背景から営業所の数と床面積が増え、技術の革新によりPC機器をはじめとした電子機器などの1事業所当たりの利用台数が飛躍的に増えたことにより2.4倍と高い数値になっています。 なにより省エネルギーが進まないのは各営業所に省エネルギーの知財がなく意義も浸透していないために事業所側にコスト削減による収益に対するメリットを明確にしてひとつの事業としてとらえて省エネに取り組むような啓蒙活動が必要だと考えます。 地球の為や環境の為、社会の為ではなく会社の為・社員の為という図式を明解にしてインセンティブなどを支給することでメリットも可視化する必要があります。
運輸分野
各メーカーの努力による燃焼効率や車体の軽量化・タイヤの進化などの成果で燃費は飛躍的に良くなっているものの宅配ビジネスが一般化したことによる取扱量の伸びには追い付かないのが現状で1.7倍となっておりますが更なる進化が相まって下降傾向にあります。
家庭分野
快適な環境を求めるがための家電製品の利用や既婚率の低下による単身住居の増加などにより2倍のエネルギーが使われるように変化しています。
国としては省エネ法により多くの電力を必要とする大企業の工場や店舗について一定の削減義務目標を掲げることによりコントロールして抑制してきました。
企業もこれに応えて自社の利益よりも社会貢献を美徳として対応してきました。
縛れていないのが使用量は少ないが圧倒的に数のいる「業務部門」「家庭部門」という大集団になり全体の6割を占める数がコントロールできない状態になっているのが現状です。
これに対して国の政策として安部政府は2030年までに2013年比で26%の削減を行うと宣言をして国として本気で省エネに取り組む姿勢のあることを内外に発信しました。
省エネルギーの促進を目指す企業や家庭を後押しするために政府は助成金その他の政策を行いますが専門的分野の為に理解が難しく業務優先になり進まないのが現状です。
省エネに関心があっても何をすればいいのか誰に依頼すればいいのかがわからずに効果が不明確な高額な機器を購入したりして失敗を重ねるマイナス要因から省エネに対して後ろ向きになってしまっているケースも多々見受けられます。
省エネルギーを促進を担当するサードパーティーの充実がこの国の省エネルギーの未来を左右すると使命感を持って弊社は取り組んでおります。