間違った空調の省エネ対策‐夏-

 電力料金の高騰により省エネ対策についての関心が高まってきている今日この頃ですが、巷では勘違いや知識の欠如から逆に増エネになってしまうような間違った省エネ対策が流布しており混乱を招いております。
 今回はやってはいけない対策について解説します。

①フィルターシートを設置

掃除の工数を減らすための対策

 天カセ型室内機のフィルター清掃の手間を省くために四隅にマジックテープを両面テープで取り付けることでフィルターシートの着脱を簡易にする形で装着している店舗や事業所が散見されます。 
 コンサル先での電気料金がいきなり二割跳ね上がっことで現場調査に赴いたところこのような愚策が行われていました。 埃で目詰まりしてしまうと吸排気の際にコンプレッサに余分な負荷がかかることで増エネになってしまいます。 そのために2週間~1ヵ月に1回のフィルター清掃をタスクの一つに盛り込んでます。
 参考写真のようにフィルターシートを装着することは、例えてみればマスクをして長距離マラソンを走るようなもので省エネの観点から言葉を選らずに評価すれば「百害あって一利なし」です。 すぐにやめてください。

②「微風」が省エネとして有効説

風速は「微風」より「自動」

リモコン設定で風速を「微風」にするのが一番省エネになるという説を信じて微風設定にするケースがあります。

 たしかに強風より微風の方が消費電力が少ないのは事実なのですが、開口部や断熱材などの環境に左右されますが設定温度にするまでの到達時間がかかってしまうことにより増エネとなってしまうのです。 自動運転にすることで設定温度まで一気に下げて設定温度になったら自動的に惰性運転になるほうが省エネ的には有効です。 
 「自動」をデフォルトにしてください。

③「こまめなスイッチのON/OFFが省エネ」説

コマメなスイッチOFFが省エネ説

これはしっかりとした結果があり電力中央研究所の検証ではエアコンを「こまめに消す/30分ごとに5分停止」と「つけっぱなし」の場合との比較では「つけっぱなし」の方が30%の省エネとなるとの検証結果が出ている。

④「つけっぱなしが一番省エネ」説

連続運転が有効?説

 ③で紹介した「コマメなスイッチOFFが省エネ」説が論破されたことを受けて24時間つけっぱなしが有効と勘違いしてしまうケースが散見されます。 9時から~17時が就業時間の事業所において常に自動運転にすることで空調負荷を抑えるために従業員が全て退社した17時以降もつけっぱなしで24時間運転を行い電気料金が上がったというケースがあります。 省エネの極意としては「動かさない」が最強です。 不要な時は惜しまずに止めましょう。 夜間の無人のオフィスで空調が自動運転しているのは全くの無意味で増エネ以外の何物でもありません。
 1時間の昼休みに無人になるオフィスを空調運転したまま留守にするのはOKです。 
 目安として2時間以上の外出であればOFFにしましょう。

⑤湿気を取るには「除湿」が最強説

湿度と室温のバランスで不快指数は変化します。

 湿気でジメジメした外気はとても不快で暑さを増してしまいます。 事実、サウナなど乾燥した環境において室温は90℃くらいでも一定時間耐えることが可能ですが湿気が伴うと30℃でも過ごしづらくなります。
 湿度を取るために「除湿」という機能がありこの「除湿」の方が湿気を取るのに適していると思われがちですが、除湿量においては「除湿」は1.1KGに対して「冷房」は2.3KGと倍以上の能力を発揮します。
 冷えすぎが気になる方は「除湿」を選ぶべきですが湿気を取ることを優先するのであれば「冷房」の方が2倍以上の効率で除湿して冷やしてくれます。 

疑問に思ったことは必ずネットで検索をすることで問題解消が可能な世の中ですので今後も気になることは検索機能を有効利用しましょうね!

効果的な除湿手法 -事業所-

除湿のすすめ

関東地方を基準にして解説となりますので他の地域の方はその地域なりの微調整をされてください。
気象庁のデータに基づくと関東地方では6月から10月に湿度が高くなります。
台風の発生など南から湿った空気が舞い込む季節となるのが気候的な原因です。

湿度が上がると体感的に気温を高く感じて不快指数が上がることとともにダニやカビの発生といった衛生的な問題が発生してしまうために経済的にも衛生的にも対策を講じる必要があります。

いかに効率的に効果的に除湿を行えばいいかについて解説したいと思います。

縦軸が湿度 横軸が気温になります。
https://ameblo.jp/ohnodani/entry-12051201317.html 出典:大野文化圏ブログ

上の図にあるように28℃の室温であっても30%前後の湿度であれば快適と感じる環境となります。
エアコンによる除湿機能は機種ごとによって「再熱除湿」「弱冷房除湿」と2通りあります。 詳細はリンク先の「やってはいけないドライ方式」をご覧ください。 前者は快適と引き換えに電気料金が高くなる傾向があるためになるべく使わないようにと指導をしてます。 

除湿を促す効果的な手法3選!

①こまめな換気
窓を開けてこまめに換気することで室内の湿度を下げることが可能です。 空気の通りをよくするために二方向以上の窓を開放してください。 雨の日なども外の湿度を室内にいれないようにと窓を閉めるのではなく空気のよどみが一番の悪になりますので天候に関わらずこまめな換気が良いと認識して下さい。

二か所以上の窓を開放することで空気の通り道を作ることがポイントです



②サーキュレーターや扇風機の利用
空気の通り道から外れてしまっている空間は澱みが出てしまうので、そこが湿気の温床となってしまう可能性があります。 その際にはサーキュレーターや扇風機の力を借りて対流を促して改善願います。

居室の計上によって空気のよどみをサーキュレーターで防止してください。


③室内環境の可視化・数値化
何においても可視化・数値化は効果を求めるときに必要なものです。
主観で動くのではなく具体的な湿度を把握して窓の開放やサーキュレーターを利用して湿度の改善を図りましょう。
①・②をやることと③により現状を数値化して把握したうえで機器の運転を行いましょう
写真は不快指数計になりますがこの他に湿度計と不快指数表などの組み合わせも可能です。

不快指数計 快適な状況を見つけてください

除湿器やエアコンの除湿運転のコスト試算
除湿器:除湿に特化した機能で室内環境に応じて対策が可能です。
弱冷房除湿(エアコン):室内温度と湿度を同時に下げます。 肌寒くなってしまう可能性があります。
再熱除湿(エアコン):室内温度はさげずに湿度だけをさげます。 電気料金が確実に高くなります。
*再熱除湿のドライ方式の見極め方はドライ運転にしたときに室温設定ができるかどうかです。 室温調整ができるのは再熱除湿方式だけです。 24℃のように具体的な室温設定が可能だったり+1℃のような設定がありますがいずれの場合も電気代が高くなる再熱除湿方式となります。 室温や状況に応じての使い分けが良いと思います。

<除湿器の電気料金>
700Wの除湿器を一般の事業所で使った場合の電気料金の試算式

700W X 30日 X 10時間 X ¥30/kWh ÷ 1000=6300円

2.2kWのエアコンのドライ運転により除湿を目的として使った場合の電気料金の試算式

2.2kW X 30日 X 10時間 X ¥30/kWh ÷ 1000=19800円

同じ効果が得られるかということについては無視した乱暴な試算式となりますが、安易にドライ運転や除湿器の導入を優先してしまうと3倍近くコストがかかってしまうことを念頭に置いて工夫していただきたいという目的の発信となります。 除湿器の稼働においても3選を有効活用することで除湿器の効率を最適化可能です。

除湿効果促進アイテム3選!

①新聞紙

「押し入れに入れっぱなしの雑誌とかがしわしわになっていた」というご経験がどなたでもあると思うのですが紙は湿気を吸収する性質があります。 その中でも新聞紙は細かい凸凹が多くあるために湿気の吸収にとても有効です。
湿気が気になる「澱みのある空間」「棚の中」「シンクの下の隙間」などに置くのが有効です。 
消臭効果も期待でき、インクが窓掃除や靴磨きにも有効に使える新聞紙はとても有益なアイテムだと思います。
さらに効果を高めるには手でくしゃくしゃにしてから広げることで行面積を増やせるので吸収促進効果となります。
 注意点としてはマメな交換をしないとカビの温床になる危険性があります。

新聞紙は多くの面で効果的なアイテム

②重曹
おそうじに有効なことはよく知られている重曹ですが、これも新聞紙と同様に多くの面で効果的なアイテムの一つです。 重曹には消臭・除湿効果があり、お好みのアロマオイルを垂らすことで室内環境をよりよく改善することが可能です。 100円ショップなどで売られているアンティーク風ボトルに入れてふたを開けたままでトイレや出入口、給湯室など気になるところに設置してください。 湿気を含んだ空気は重くなるために床面に集まる傾向がありますので低い場所が有効です。 湿気を吸収すると重曹が固まりますので新たに交換してください。 
 固まった重曹はそのまま掃除にお使いなれば効率的な使い方となります。
ボトル+アロマオイル+水+重曹=除湿∔消臭

重曹(ベーキングソーダ)はすぐれものアイテム

③竹炭

重曹と同様に炭も除湿・消臭効果があるすぐれものです。 湿度が高い時には余剰分を吸い込み、湿度が低くなると溜めてあった湿気を吐き出して室内の湿度を一定に保つの役立つアイテムです。
 多くの種類がある炭の中でもおすすめなのは竹炭です。 焼肉で使われる備長炭と比較すると価格面以外でも消臭・除菌を行う細孔(サイコウ)という細かい穴が他の炭より多くあるために除湿・消臭に優れてます。
 効果が薄れてきたら(これも可視化で判断可能です)晴れた日に竹炭を天日干しするだけで再利用が可能です。
 壊れてしまわない限り半永久的に使えるすぐれものなので活用願います。

半永久的に利用可能。 

安易に電気料金のかかる機器の運転だけに頼るのではなくて有効なアイテムや手段を活用することで機器の効率を高めて室内環境の最適化と電気料金の最適化を目指してください。

可視化+アイテム導入+機器の最適運用 
        ⇓
快適な室内空間 + 電力料金最適化

ジメジメした梅雨に負けずに頑張ろう!

運用改善による待機電力削減と効果-1(中間期)

 2021年は原油高により電力供給企業各社の経営の悪化により電力単価の高騰が叫ばれていました。


そして2月に起きたウクライナとロシアでの開戦による世界的なエネルギーの値上げの波が今後に打ち寄せてくることが予想されます。 先日も宮城沖を震源とした震度6強の大地震の影響で東北地域の火力発電所が停止してしまったことからブラックアウトの危険性が叫ばれて緊急宣言が出されたのは記憶に新しいと思います。
 省エネによるコスト削減で自社を守るばかりでなく社会貢献に直結することが明確となりました。

そんな2022年4月のおすすめの省エネ対策(整体院・物販店舗・事務所・調剤薬局・倉庫)をお伝えします。

キーワードは「先行投資がない」「工数が少ない」

対策1:空調機器の待機電力の削減

 「空調機器を使わない場合にはコンセントを抜くように」と聞いたことはないでしょうか?
壁型空調機器のコンセントですが、事業所などの場合は分電盤(ブレーカーBOX)のブレーカーをOFFにすることが有効です。
  待機電力は50W~100Wあります。きりの良い100Wで効果を試算します。
  月間3万円くらいで天カセ型の空調機器が2台ある事業所のイメージです。

100W X 24時間 X 30日間 X 4ヵ月(中間期)X 28円/kWh ÷ 1000 = 8,064円(中間期の削減)
100W X 12時間 X 30日間 X 8ヵ月(夏季・冬季)X 28円/kWh ÷1000 = 8,064円(夏季・冬季の削減)
8,064円(中間期の削減)+8,064円( 夏季・冬季の削減) =16,128円 
16,128円/年の削減    安全ブレーカーを落とすだけの運用改善ですで4.5%削減可能

安全ブレーカーで空調系統を選択してOFFにして待機電力を削減しましょう


店舗の閉店後の空調機器消し忘れ防止策

<空調機器の消し忘れ問題>

 終業作業が終わり退店(院・所)して鍵を閉めるのと同じくらいに空調機器のスイッチを消すのは当然のことと誰もがご理解いただけると思います。 しかし残念なことにうっかりが起きてしまい朝に早番の人が出社した際に空調機器が動いてる違和感を覚えることは間違いないと思います。 

消し忘れの電力ロスはどのくらい?

 空調機器の電力ロス量は<機種のスペック><台数><年式><運転時間>によって変わります。

<機器の年式>
省エネ法の名のもとに国を挙げて挑んだトップランナー制度のおかげで我が国の生活家電は世界でもTOPクラスの省エネ性能を誇っております。 2005年以前のモデルと以降のモデルでは58%の差がある機種があるくらい大幅な省エネが進んでおります。 車の燃費が飛躍的に向上しているのも日本の製造業の威信をかけた戦いの賜物です。

<機器のスペック>
冷房能力・暖房能力ですが全ての機種には銘板があり明記されてますので確認願います。 低圧電力の場合であれば¥28/kWhで電力単価を計算してください。 暖房消費電力が1kWであれば¥28/kWhを目安にしてください。

<台数>
広いお店だと室内機が一つではない場合がありますので台数も試算上カウントが必要です・

<運転時間>
17~18:00が定時のオフィスや20:00~21:00閉店の販売店、終電まで残務処理が残る場合など様々だと思いますがオフィスの消し忘れは特にロスする無駄な電力消費が多く致命的です。半日以上の無駄な料金を電力会社に寄付して社の財政悪化を招いているという点では少額ですがわかりやすい悪です。 わかりやすいだけに直しやすいと思います。

<試算式>
ー10時間の消し忘れが月間10日あった場合ー
10日 X 10時間 X ¥28/kWh = ¥2800/月
ー10時間の消し忘れが月間10日あった場合 ー
3日 X 10時間 X ¥28/kWh = ¥840/月

*実際はその他の室内環境などによっても変化があるので参考に留めておいてください


消し忘れ防止対策は?おすすめの対策4選

無駄なことはわかってるし、気づいた時の罪悪感はみな同じだと思います。 しかし、わかっちゃいるけどやらかすのが人の常ということでやらかさなための方策4選

①出入り口の際に忘れ物防止チェックのルーティーンポスター掲示
「火の元」「戸締り」「空調」

②早番の人に空調OFFの確認をしてもらいスタンプ押印(ゲーム感覚で一致団結が目標)
フルマークでインセンティブ(50回帳に判子ひとつ等)忘れたらお昼休憩の飲み物負担など軽めの罰ゲーム

③運転時間をタイマーで設定
退店時間がほぼ決まっているのであればの大前提で設定で確実に失敗を防ぐ

④外付けタイマーを設置して自動化
最後の手段はタイマー設置工事を行い設定した時刻にON・OFF・手動運転の3種類選択可能にする。

積もると大きくなるのが努力ならば大歓迎なのですが無駄は極力排除したいですね!

暖房機器の選定方法

空調機器が生み出した暖気は乾燥しているために喉やお肌にはあまり好ましくありません。
そのために夏のクーラーと同様に空調機器による暖房を嫌う方も多くおられます。

世にある機器の特色を下記しますのでベストの空調を選んで冬を快適に乗り切ってください。

①エアコン
エネルギー:電気
省エネ性:B
長所:1℃(0.5℃)単位で細かく温度設定が可能、
短所:乾燥してしまう、2週間に一回程度のフィルター清掃が必要
特徴:一般的に広く使われているタイプの暖房器具で「天カセ型」「天吊り型」「壁掛け型」「据え置き型」と用途やパワーによって4種類があります。 

天カセ型

天吊り型

壁掛け型
据え置き型

②灯油ストーブ
エネルギー:灯油
省エネ性:A
長所:エネルギー単価が安い、湿度UPの工夫ができる、広い空間を暖められる
短所:燃料補給などに手間がある、燃料調達に手間がある、匂い
特徴:ダルマ型、ポータブル型と形状に加えて輻射型とファンヒーター型の二種がある。

ダルマ型ストーブ 27畳までと広い空間と天板にヤカンを載せて湿度UPも可能
ポータブル型 振動によって消化するなどの機能がついてて安全
ストーブファン 垂直に昇る上昇気流を受けてファンが回り水平方向に暖気の移動を促す優れもの
輻射と風により暖を得られる
灯油ファンヒーター  風で温まるので短時間で暖を得られる

③セラミックヒーター
エネルギー:電気
省エネ性:C
長所:工事不要で運転が可能、機器が格安、すぐに暖かい
短所:電気代が高い、局所しか温まらない
特徴:事務職のOLなどが足元の寒気をしのぐために導入をせがむものであるが、省エネの観点から言うと勧められない機器である。 足元の冷えをしのぐのであればブランケットや電気毛布がベストで40分の1の電気代で同等の暖を得られます。

セラミックヒーター 燃費が悪いのですすめません。

④ハロゲンヒーター
エネルギー:電気
省エネ性:D
長所:コンセントで稼働、すぐに暖かい
短所:1200Wととても大きな電力のわりに50cm程度しか温まらないほどの効率の悪さ
特徴:とても効率が悪いので省エネの観点からはこの世に存在してはいけない機器のひとつ

中間期の送風運転のすすめ

10月・11月や4月・5月などは冷暖房運転をすることなく過ごせる季節で中間期と呼ばれるエネルギーコストの低い時期となります。 インディアンサマー(小春日和)と呼ばれるような朝晩は冷え込むが日中は汗ばむくらいの陽気の日には冷房運転をすることなく送風運転をおすすめします。

<送風運転とは?>


外気を取り込みそのまま室内に送り込むだけのいわゆる扇風機のような活用手法です。
空調運転の90%をしめるコンプレッサを使わないために冷房運転と比較すると9割削減となります。

<送風の効果>

送風の消費電力 16.9Wh = 42銭/h

冷房運転の消費電力 2900Wh= 72.5円/h 送風運転にすることで99.5%削減

暖房の消費電力 2650Wh = 66.25円/h 送風運転にすることで99,4%削減

風が当たることで体感温度が数度下がり涼を得ることができますが暖を取ることはできないので暖房運転に置き換えることは難しいと思います。  
しかし、中間期の冷房をかけるほどではないけど、汗ばむ陽気の際には「送風」が断然お得なことはご理解いただけると思います。

<送風運転ボタンがない場合の対処>

DAIKIN社製以外のメーカー製では「送風」ボタンがない場合が多いです。 
その際には冷房運転に設定して手動で設定温度を最大値(31℃など)まで高めてください。 
冷房運転にしているのに室外機が回ることなく運転することで冷房運転をしていないこととご理解いただけると思います。

室内環境の可視化のメリット (Co2モニターの導入)

 いっこうに収まる気配のない新型感染ウィルスの感染拡大状況ですが、いわゆる「密防止」のために過剰な換気が昨年から各所で散見されており、これによる空調効率の悪化に伴う電力コストの増加を危惧しておりました。

適正な室内環境とは? 

 それでは空気という見えないものに対して適正の見分け方をどうすればいいのか?

 見えない室内環境を可視化するCo2モニターが有効です。 室温には温度計、湿度には湿度計、そしてCo2にはCo2濃度測定機能が付加されてます。 Co2濃度というのはビル管理法で1000ppm以内にするように定められており、外気は都市部で450ppm前後です。 コロナ以前にはこのCo2測定器を使用して室内への外気の流出入の有無を数値化して空調機器運転中には1000ppm近くなっているかどうかを確認してました。 空調運転時に700ppmという数値を確認して換気扇が回っているのを注意して停止してもらい空調効率を高めるというような指導をして省エネ効果を得てました。 今年はこれを逆利用して空調運転時に換気扇を回してもらい、Co2モニターで1000ppmを超えたら通気を得るために10分間程度二か所以上の開口部の開放を勧めてます。

 ロケーション別のCo2濃度の例はこちらです

それでは危険値はどのくらいなのでしょうか?

3500ppm以内であれば健康上の問題はないという指標になってます。 元々Co2濃度の管理が法的に決められているのは健康上の理由よりも脳内に酸素が不足することにより行動する上でのパフォーマンスが落ちてしまうことを問題視したことによります。 「労働」「学習」「運動」において実力が発揮できない環境になってしまうための管理となってますので本来は過敏になることはないのですが、新型コロナウィルスの蔓延防止による密防止にこの指標を利用することで適正な室内環境の可視化にメリットがあると思います。

それではどのようなCo2モニターがいいの?

価格:5000円以下の製品はセンサーの不具合が多くておすすめできませんので注意ください。
表示内容:「室温」「湿度」「Co2濃度」の3種類が大きく表示

アマゾンで「Co2モニター」で探してください。
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%A0-CUSTOM-CO2-mini-CO2%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%82%BF%E3%83%BC/dp/B00I3XJ9LM/ref=sr_1_27?crid=RHYE5T2OTK5X&dchild=1&keywords=co2%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC&qid=1631451044&s=industrial&sr=1-27

https://www.amazon.co.jp/%E4%BA%8C%E9%85%B8%E5%8C%96%E7%82%AD%E7%B4%A0%E6%BF%83%E5%BA%A6%E8%A8%88-CO2%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC-%E7%A9%BA%E6%B0%97%E8%B3%AA%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%82%BF%E3%83%BC-0%E3%80%9C9999PPM%E6%B8%AC%E5%AE%9A%E7%AF%84%E5%9B%B2-%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E7%9B%A3%E8%A6%96/dp/B0995KZMFC/ref=sr_1_31?crid=RHYE5T2OTK5X&dchild=1&keywords=co2%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC&qid=1631451044&s=industrial&sr=1-31

*「換気後300ppm」とありますが-300ppmの誤りだと思います。 
400ppm以下は平地ではなかなかない低い数値です。 
もしも窓を閉め切った室内で400ppmが計測された場合には機器の測定ミスを疑うべきです。
近年はとても安価になったCo2計測端子ですが残念ながら粗悪品も多いのが実際です。 

整体院の現状調査と有効策

空調機種内容

院の空調機器は70%が天カセ型の4方向であるということがわかりました。
20坪~50坪の院内を効率的に空調コントロールするには壁型より良いという事だと思います。 
この設備により室内の位置による温度差が少なくなるメリットがあります。

壁は吹き出し口からの距離に応じて効率が変化するために位置による差異が多くなります。
機器の効率を向上させるためにはコンティニウム、空調効率を高めるためにハイブリッドファン、サーキュレーター、扇風機の同時使用が有効です。

フィルター清掃頻度

室内環境に左右されますが2週間に一回がベストが一般的です。 6割が合格点となってます。 カビやにおいの原因にもなりますのでお客様満足度の向上のためにも最低毎月一回をルールとして定着することで削減とともに環境改善につながります
<対策>
アンケートの結果から鑑みると特に決められたルールがあるわけではなくて週に二回からしたことがないまで多岐に及ぶ結果となってます。 環境整備点検の項目に入れるなどして適正なルールに基づくことによって確実な成果が得られると思います。 逆にルールに入れなければ削減は進まないと思います。


【ルールの策定 】 ⇒【成果の可視化】⇒【優秀者を褒章・落第点を指導】

冬季の室温設定

国が求める推奨温度は20℃ですが22℃を提唱してます。 1℃の緩和で10%の電気料金の削減が目安となってます。 90%の院が23℃以上の設定になっているために22℃以下でお客様から寒さでクレームが来ないようにする工夫が目標になります。 設定温度を下げて院内が寒くなってしまっては本末転倒です。 我慢せずに削減する道の解明が必須です。
<対策>
*サーキュレーター・ハイブリッドファンの併用
*扉の開放ルールの策定
*二重窓
*コンティニウムの導入
*灯油ストーブの導入
*加湿器の導入
*コンティニウムの導入

暖気は天井部分に留まるために何も対策をしなければ22℃の設定では施術の際の患者様も位置では20℃前後の空間となり寒く感じる方も多いかと思います。 更に新型コロナ感染拡大防止策としてタオル掛けを控えるなどの場合にはなおさらです。 何度もブログで紹介してますが室温設定の標準化を急ぐ必要があります。 
【サーキュレーターorハイブリッドファン】⇒【コンティニウムの導入】が有効です。

夏季の室温設定

国が求める推奨温度は26℃ですが25℃を推奨してます。 86%の院が努力対象になります。 扇風機との同時使用などで体感温度を下げるなどの工夫で緩和は可能と思われます。 設定温度を上げて院内が暑くなってしまっては本末転倒です。 我慢せずに削減する道の解明が必須です。
コロナ前から指摘しておりましたが扉の開閉ルールが決められてないために集客を促すためにという理由で扉の開放をしている院が多かったです。 
衝動的な理由での来院の可能性はとても低いと思いますので締め切っていても集客が落ちることは考えられません。 扉を閉めていないことにより夏の暑気が容赦なく入り込み空調効率を著しく低下させてました。


<対策>
*扇風機の併用
*日射の侵入の防止
*扉の開放ルールの策定
*二重窓
*室外機の遮熱措置

*除湿器の導入
*コンティニウムの導入

冬の空調の省エネ対策ベスト5

2020年~2021年の冬はラニーニャ現象の影響で記録的な暖冬だった前年と比較して大雪を伴う厳しい寒波に襲われる可能性が高いとの予報が出されております。 空調機器の効率を上げる対策を下記しますのでできるところから始めて電力コストの最適化を目指してください。
 整骨院・オフィス・物販店舗・ご家庭など多くの場面で有効な対策です。

①空調機器のフィルターの清掃 
フィルター清掃を適正に行うことは空調機器の効率の向上対策として最優先事項です。 正しい手順と方法が紹介されてるサイトを検索しましたのでご参照ください。 
暮らしのマーケットマガジン
エアコンのフィルター掃除|水洗いで簡単に!重曹を使ってしっかり掃除!

壁掛け型クーラーのフィルター清掃の一例です。 フィルターを取り出す!!
この部分を押し上げる形で取り外します。
埃のたまり具合から1~2週間に一回の清掃が必要です。掃除機で吸い取るだけの軽作業です
空気の通りをよくすることで電力消費を少なくすることが可能です

②開口部からの寒気の流入防止策を講じる
冬は開口部(出入口や窓)から暖気を58%放出してしまいます。(図参照)

開口部から熱が58%逃げていきます。換気は感染拡大防止策として必要悪として目をつむりたいとことなのですが扉と窓の開口部は防止可能です。 上下図ともに参照サイト マド本舗
せっかく暖房して暖めた空気も、窓の断熱性が低いと窓辺で空気が冷やされたり(コールドドラフト現象)、すき間から冷気が入り、その冷気が足元にたまってしまいます。足元までポカポカ暖かくするためには、窓の断熱性を高め窓付近の気温を下げないようにすることが効果的です。

これらの問題を解消するためには、開口部を透明カーテンにより遮って空気層を作り熱の放出を防ぐことが有効な対策となります。

断熱カーテンライナー アマゾンサイトから引用
カーテンの内側に設置することで熱の流出入を防止します。

③サーキュレーターにより室内温度の平準化を目指す

サーキュレーターの有効性については再三ブログで配信してますのでご参照ください。

冬は上部に向けて風を送って上部に溜まる暖気をかき混ぜる

④湿度コントロールをする。
湿度が高くなると体感温度は高くなります。 逆に乾燥が進むと肌寒くなってしまうので従来のストーブに夜間を乗せて蒸気の湯気を得るのはとても理にかなった暖の獲り方でした。 石油ストーブの場合にはヤカンをかけるなどは今でも変わらずの得策ですが、エアコンの場合には加湿器が必要となります。
 湿度と気温のバランスを把握して適当な湿度を狙って暖房対策を行うことがとても重要になります。

45%~65%の狭いゾーンに収まるように湿度コントロールが健康と省エネに直結します。

⑤ワームビズを行う。

 機器などを使わずに居室内にいる各人が自身を機能性下着、電気毛布、電気カーペットなどで温めることでベースとなる空調の設定温度を緩和するのが狙いです。 決して根性論で寒さに耐えろと伝えているわけではありません。

参考サイト  ウォームビズ ポカポカゼミナール

まとめ

「的確なメンテナンスのルール作り」
「熱の放出防止」
「効率向上グッズの導入」

 寒さに耐えて作業を行うのは精神的にも肉体的にもストレスが増えてしまうので非効率的です。 コストがかからないメンテナンスを特に強化して乗り切ってください。 やり方次第で2割~3割の空調コスト削減が可能です。

整骨院の冬の対策 -省エネに効果的な機器-

新型コロナ感染拡大防止策としての有効策は下記とされてます。

 1.手指消毒 2.マスク着用 3.換気の気配り 4.密の回避 5.会食の抑制 6.うがいの励行          

これらの有効策の実行は事業を継続していくためにも自身や家族を守るためにも、社会人としての必須事項となっています。患者様を受け入れる院では施術者が完全な配慮を行うことはもちろんのこととして割愛しますが、2020年の冬に考えられる特殊な対策について解説します。

 2020年の冬は密を避けるために扉や窓の開放と換気扇の運転を行う事が必須となります。 これを効果的に行いながらブランディング・集客促進・売上確保・感染拡大防止・省エネ・環境保全のためにも実施が必要です。

①湿度計・不快指数計-室内環境の可視化-

直感的に見やすいものがおすすめです。

行った施策の成果の把握ができないとその後の深堀や継続ができません。 年間を通して使用可能で直感的に視認できるタイプがおすすめです。 冬は湿度が高いと体感温度が高くなるため省エネにもつながります。 また夏は逆に除湿をすることで過度に冷やさなくても涼を得ることができるため常に必要な計器となります。 湿度35%以下でウィルスの活動は活発になるので健康管理のためにも湿度管理はとても重要となります。

②間仕切りカーテン -外気流入防止策-

接触が多い整体院では換気対策の実施の視認性を高めることで徹底した 感染拡大防止策をブランディングにつなげる集客対策をする必要があります。 その一環として入口ドアを開放するのが最も効果的だと思います。 しかしデメリットとして外気の流入により室内温度が低下するため空調負荷が高まり増エネにつながってしまいます。 空調機器の設定温度1℃の増減でコストは10%増減の目安となります。 暖房は冷房よりもコストが高くなるために例年の同月比で30%は増えることが予想され全店規模で試算するとかなりのコストアップとなります。 決して傍観できる額ではないために工夫とともに機器の導入が必須となります。

突っ張り棒で短冊状のカーテンで仕切るだけで一定の効果が期待されます
DIY感覚で自店での取り付けが可能です。
間仕切りカーテン アマゾンサイト

③エアーカーテンの導入-外気流入防止策-

間仕切りカーテンとの違いは入り口上部に設置することで空気の見えない壁を作ることにあります。 扉部分になにもないために開放感はUPします。 デメリットとしては導入コスト・運転中の機械音・設置作業があります。 メリットとしては美観を保つことがあげられます。 もちろん夏季でも有効です。

④加湿器 -湿度管理-

 湿度の上下で体感温度が上下します。 室温が低くても湿度が一定以上あれば体感温度的に寒さが緩和します。 夏季には逆に湿度を低くすることで室温が高くても暑さが緩和します。 したがって必要以上の冷暖房コストを回避する目的で湿度管理を行いコストカットを目指す一方で湿度35%以下になると活動が活発になるウィルスを抑制できるという側面もあり湿度管理はとても重要となります。 外気が25%を下回る冬季において扉を開放する対策を実施する場合には湿度管理を徹底する必要があります。            

冬は45%以上を目指してください。外気は30%を下回ります。
湿度計や室温計 タイマーなどが分かりやすい製品が良いと思います。
5%の改善が望めます。 1000円程度ですがこれを数個おくのであれば加湿器がおすすめです。

⑤コンティニウムの導入 -空調効率向上-

 空調効率の改善を行う特許品です。 吸気と排気を同時に行う空調機は空気摩擦により生じた静電気が排気の際の抵抗となりコンプレッサー負荷を高めてしまいます。 トルマリンなどの特殊成分を練りこんだマイナス電子を帯びた特殊な樹脂により静電気の発生を抑制することで空気の通りをよくしてコンプレッサ負荷の軽減と熱交換器部分(アルミフィン)へのほこりの付着を防止することで約30%の空調コスト削減が得られる話題の機器です。            https://www.continewm.com/products/                  2019年に特許を取得し効果に絶対の自信を持つコンティニウム社は類似品と一線を画すためにも購入前に必ず試験設置を行います。効果を確認してから販売をするという安心の購入方法もお勧めできる要因です。           

50㎝角で天カセのフィルターの上に設置します。 壁型の場合には半分に切ります。

外気が流入することによる増エネを最小限にするためにとても有効な機器となります。 エアーカーテンとコンティニウムは夏にも有効ですので投資回収は1年~2年程度です。   

フィルターの上に置くだけ の天カセタイプの設置イメージです。

CONTINEWMは、エアコンの熱交換を妨げる静電気を除去し、無駄な電力消費をなくします。
そのメカニズムは2通り。

【その1】

エアコン内の熱交換器(フィン)および樹脂製パネル(絶縁体)は、ファンの回転に伴う空気との摩擦により静電気が発生し、プラスに帯電しています。エアコンが帯電すると、空気の流れが本来意図していたものにならず、熱交換効率が低下します。すなわち、プラスに帯電した空気が熱交換器やパネルを通ると斥力(反発力)が作用し、空気は表面から離れていきます。すると、熱の伝導率が低くなり、熱交換効率が悪化します。

常にマイナスに帯電しているCONTINEWMはプラスの電荷発生を抑え、無電荷状態の空気に変えます。このことで、エアコンは静電気の影響を受けず、本来意図していた熱交換効率を発揮することができます。

【その2】

空気中に漂っているホコリは、ほとんどが静電気を帯びていて、帯電している物質にくっつきます。ホコリがエアコンに吸い込まれると、空気との摩擦によって帯電している熱交換器(フィン)に付着し、溜まっていきます。(左図)これが、熱交換効率悪化の原因となります。

ところが、CONTINEWM装着後は【その1】によりフィンが帯電しないためホコリが付着しにくくなります。(右図)したがって、エアコンは本来意図していた熱交換効率を発揮し、無駄に消費していた電力を回復することができます。

⑥サーキュレーター -空調効率向上-

分子の軽い暖気は屋内空間の上部に留まります。 来院された患者様が施術を受ける床に近い部分は常に冷たいゾーンとなります。 上部にあるエアコンの吸い込み口で室内温度を計測して設定温度に向かって運転するため、上部の暖かい室内空気を吸い込んで停止してしまいお客様のいらっしゃる位置での必要温度との実際の温度の乖離が埋まることはありません。 どうしても冷たくなってしまうために設定温度が上がってしまいます。 設定温度1℃のUPで10%の増エネとなってしまうのが通常です。 逆に1℃の省エネで10%の削減効果を得ることができます。 これを防ぐためには室内温度を平準化する必要があります。 冬季はサーキュレーターを上向きにしてビリヤードの玉が壁に当たって方向を変える原理で床方向に暖気を掻きまわします。 冬には必ず必要な製品のひとつです。

暖房の場合は、部屋の隅からエアコンに向けて対角線上にサーキュレーターを設置することで、天井付近に留まっている暖気を循環させ、空気を効率よく動かすことができます。対角線上に設置できない場合は、真上に向けて風を送ることで空気が循環します。

まとめ

これまでに産み出した差益を利用してなるべくスタッフの労力をかけずに省エネ活動を推進する必要があると思います。 新型コロナ感染拡大防止策のために増えるエネルギーに対しては最小限の投資を行い経費増加を食い止めることが最善策と考えます。そのため「省エネ革命」としては珍しく機器の紹介を優先して推奨いたします。